アミューズ ミュージアム「BORO 美しいぼろ布」展がとっても良かったので、その直後の感動冷めないうちに記しておきたい…と思いながらも時間が経ってもうた…
ぐるっとパスの期限も迫って来た頃「行きたいリスト」に入っていながらも未来訪のままだったアミューズ ミュージアムへ。
浅草に行くのも久々だなーと思いつつ、いつも愛用の東京メトロ一日乗車券使用で、メトロに乗って。
観光地、浅草!を楽しむ外国人さんの人混みに紛れながら、駅から歩いて10分もかからず到着。入口から浅草寺がどん、と見える。
入口付近はショップになっていて、奥にミュージアム受付あり。丁寧に説明してくれる受付の方から入館証的なチケットかわりのものを借りて展示コーナーへ。
この日、2階で青森こぎん刺しのギャラリーショップが無料展示していて、奥が有料のミュージアムの展示コーナーとなっていた。
私はなぜか順路の逆を行ったのか、先に3階に先に迷い込んでしまい、反対から来る数人とすれ違い「あら?ワタシ順路間違ってる?!」と2階へ戻って正式な順路から始める。
アミューズ ミュージアムは、撮影OKなうえ、触ってもいいですよ(!)っていう展示品が多くてそのレアな気前の良さにやや驚いた。
(観覧者と共にさらにBOROを作っていくということ?という勝手な解釈)
スタイリッシュな現代風BORO展示。
このミュージアムに展示されているのは、青森の民俗学者、故・田中忠三郎氏が50年がかりで収集、調査されたコレクション。なんと田中先生は3万点(!)もの庶民の衣類、生活道具を収集なさったとか…
パンフレットによると、アミューズ ミュージアム館長の辰巳清さんが、青森で田中先生とお会いしてお話しを伺い感動されて興味を持ち、このミュージアムの構想がスタートしたということです。
ここの展示だけでも結構いろいろと考えることになったが、直接田中先生のお話しを聞いて3万点もの実物を見てしまったら…何かせずにはおられなくなりそう…!
ミュージアム開館から7年経ち、今では世界中から様々なジャンルのアーティストが来館しているとのこと。BOROからインスピレーションを多々もらっているのだろう。(me too!)
この展覧会のサブタイトルにもあるけれど、~人間はどんなに貧しくてもおしゃれをする~と。
確かに美意識、芸術は心の糧、栄養としてモチベーションを上げる。
それがなくても物理的、生物学的になくても死なないけど、美しいと思う心、創造性を欠く事は、生命エネルギーが活性化せず、心身のバランスや健康を損なっていくものではないだろうか…?
衣食住において、その人の嗜好を満たすものは必要ね…
私は常々、あるもので工夫する、創意工夫、というものに非常にワクワクするのだけど(ロビンソン・クルーソーとかね、彼、遭難してもワインという嗜好品まで作ったし)
まさに、このBORO展ではその真髄を見せつけられたというか、アイデア、美意識を最大限に活用して絞り出すような芸術。
そしてその時の機能性や様々な視点でベストを尽くし、愛と情熱がカタチになっているように感じた。
寒い青森では防寒対策は必須で、何度も針を刺し、つぎをあてることで補強され、保温性も高まる。さらにおしゃれ心も交えていたのだろうな。工夫してつくっていたのだ。
愛する家族のことを想いながらの一針一針はまさに愛!魂の一針!
きれいなブルーの重なり。
うむ、おしゃれ!今の時代でも、スタイリッシュといえるまさに魂のこもった粋な作品たち。(藍染の魅力に関心深まる)
世界のアートシーンで「BORO」っていう言葉が通じるくらいというのはわかる。
印象的だったのは、女性の腰巻。夜に身に着ける用や、作業用など、TPOにわけて身に着けていたっていうのは乙女心ですな。
やはり昔の工芸品、技術から学ぶことは多い。マスプロダクトとは決して違う魅力。
私は持ち物へもっと丁寧に向き合い、さらに新たにモノを持つときにも熟考することを今一度じっくり取り組みたいと思った。
このアミューズ ミュージアムのような展覧会などをきっかけに、
外国人の皆さまが日本の異文化を堪能し関心を持っていただけることも大変良いことだけれども、
日本人こそ、自分たちの土着した母国文化、歴史、時間と共に忘れてしまった大切なところを思い出して、改善、反省、確認、などできればステキ。
ミュージアムでは他にも黒澤明監督との交流のことや、他にもたくさんの面白い展示品がある。
階段にある東海道五十三次の浮世絵を眺めながらのぼっていくと、浮世絵の映像シアターや、屋上ではスカイツリーや浅草寺を展望しながら座ったり休憩できる。テーブルもある。
そういうわけで、様々な感動があり、楽しめるオススメのミュージアム!
また行きたいなー☆